アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。

 

 

夛田: 前回ではメンバーのキャリアを支援する前にまずはマネジャーも自分のキャリアビジョンを描くことが大切だということをお話させていただきました。しかし、マネジャーの皆さんの中には、キャリアビジョンをどのように描けばよいのだろうと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回はキャリアビジョンをどう描くのか、このポイントについて松丘さんにお尋ねします。

 

松丘:キャリアビジョンというのは自分が将来、どうなりたいのか、どういうことをしたいのかをビジュアライズしたものです。こうしなさい、こうなりなさいと外から与えるもではありません。

良い大学に入るために良い中学校に入る、そのために塾に行った方がいい。これらはキャリアビジョンではありません。

 

将来の自分の姿というのは、今から将来に向けての選択によって決まっていくわけです。いろんな選択が今から3年後5年後までの間にあって、その都度、右の道を選ぶか、左の道を選ぶか、自分にとって大切な方を選ぶことによって自分らしいキャリアとなります。

 

自分が大切にしたい方を選び、その結果、行き着くのがキャリアビジョンです。自分にとって大切な方はどういう基準で決まるかというと、それは本人の価値観です。

自分にとって何がいったい大事なのかということは、キャリアビジョンを描く上で最も重要なポイントであるため、自分を理解することが必要になります。

 

自分は何を大切にしているのか、自分は何者なのか、そこから自分はどこに向かっているのか、などを自分自身に問いかけることが大事なことです。

 

夛田:自己理解から始めていくことが必要ですね。

 

松丘:そうですね。ただキャリアビジョンは、例えば無人島にいたら必要ないわけですよね。人類が破滅した地球上で、自分のキャリアビジョンを語っても仕方がないわけです。

 

やはり社会の中で、人とのつながりの中で自分はこうなっているから周囲から喜ばれる、周囲に役立っていると感じられる。そういうことが自己実現につながっていくので、単純に自分の価値観だけで考えるのではなく、今、この会社の中でのキャリアビジョンというのを考えたときに、周囲はいったい自分に何を期待しているのだろう、どういうふうに思ってもらえているのだろう、あるいは会社はどういう貢献を期待しているのだろうというようなことも同時に考えることが必要です。

 

自己理解と、自分が置かれた環境の理解という2つの輪があった時に、この輪の重なりをできるだけ大きくしていくと、組織の中での自己実現の可能性が高まっていくということになります。

 

夛田:自己理解も必要であり、組織がどのような方向に向かっているかという自分なりの環境理解が必要な上に、キャリアビジョンを実現するという段階になりますが、周りのメンバーとしっかりと対話をしていく関わり方も必要になっていくということになりますでしょうか。

 

松丘:実現していこうとすると、一人の力ではできないということが大半です。組織の中、社会の中でということになりますので、当然、上司はキャリア開発を支援していくという役割を担っていますが、上司だけではなく、自分のキャリア開発を支援してくれる人、そういう仲間やサポーターを何人も持つということがたいへん大事です。

応援、支援してくれたり、色々アドバイスしてくれたりというサポートネットワークを作っていくということがキャリア開発、そのキャリアビジョンの実現に向けて非常に重要になるかなと思います。

 

夛田:周りのメンバーもサポートするとなると、その方のビジョンが具体的に描けていくことができ、言葉でしっかりと語れるものになっていた方がサポートしやすいということにもなるのかなと思いました。

 

松丘:ビジョンが明確であればあるほど、誰にどういうサポートをしてもらえばよいのかが明確になってきます。例えばこういうテクノロジーの専門家が社内にいるから相談に乗ってもらいたい、といったことが明確になります。

 

夛田:自身の価値観、それから組織の価値観を重ね合わせた部分が重なれば重なるほどというお話がありましたが、その重なる部分がたくさんあることを目指して、ぜひ皆さんも自身のキャリアビジョンというものを描いていただきたいなと思います。

 

 

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