アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。

 

 

夛田: 前回は目標設定を支援することについてお話しましたが、目標について皆さんの組織ではオープンにされていますでしょうか?全体には公開していない会社が多いのではないでしょうか。

 

松丘さんの著書「1on1マネジメント」でも、目標は共有や公開することの効果についてお伝えしていますが、目標をオープンにすることによるメリットについてお伝えしていただけますでしょうか?

 

松丘:これまでのMBOでは、個人の目標は、個人とその上司だけが知っているという会社が多いと思いますが、実は目標を公開することのメリットは非常に大きいと言えます。

 

2つの意味がありますが、1つ目は、目標を公開することによって成果が上がるということです。目標を立て、それをきちんと文字として書いた情報を周囲に公開し、さらにその目標の進捗状況まで周囲に公開することで、成果がどう変わるかを調査したところ、目標と進捗状況を公開することにより、実際に目標の達成率が高まったという研究結果があります。多くの人が見ることになるのでコミットメントが高まるという効果が期待されます。

 

もう1つは、今の時代、一人で出来る仕事がどんどん減っているということです。一人でできる仕事というのは作業的なものなので、決められたタスクを行う個人タスクの成果に占める割合は減ってきていて、他者とのネットワーキングによる成果の割合が増えています。

 

つまり、いろんな人が協力し合いながら成果を出していく仕事が増えているわけです。その時に様々な専門性を持った人や、異なる物の見方考え方などを融合することにより成功確率が高まることになりますから、連携がすごく重要となります。

 

夛田:連携という点で公開をした方がいいということでしょうか?

 

松丘:そうですね。企業で話を聞くと、隣の部署が何をしているかわからないという会社は非常に多いです。営業の部署だから営業だとか、採用の部署だから採用だというのは当然わかるわけですが、何をしているからわからない感覚とは、今、何の優先順位が高く、どこに向けて仕事をしているのか。つまりどの目標に向けて仕事をしているか、わからないといったことです。

 

そのため、連携しようとすると隣の人や部署が何をしているのか、あるいは自分と同じような目標を設定している人はこの会社の中に他にいるのかなど、そういうことがわかれば連携はもっとしやすくなります。

 

夛田:連携の仕方ですが、上司と自分だけだと、エクセルシートを共有すれば2人だけなので可能だったかと思いますが、松丘さんがおっしゃるように同僚や他の部署の人など多くの人と共有するとなると、なかなか手法がピンときませんが。

 

松丘:今はITで簡単にオープンにできますし、デジタルな働き方、あるいは働き方自体をデジタルに変えていくことかなと思いますね。

 

夛田:目標設定の手法や共有方法含め、ツール等も検討していくことが必要ですね。またオープンにするにあたっては、最初の時点で抵抗があるという方が多いと思いますが、そういった意味ではやはり心理的安全性の確保といいますが、オープンにする前段階の土台作りというところも大切になってくるのでしょうか?

 

松丘:心理的安全性がないからオープンにしないとしていると、恐らくいつまで経っても変わらないと思います。やはりニューノーマルの時代ですから、働き方もデジタルにする。デジタル環境の中でもいろいろな情報が共有されていて、誰がどういう仕事をしているかが分かるような環境にしていくことが大事かなと思います。

 

夛田:ぜひ皆さんもニューノーマルな時代に合わせた目標設定の仕方、また目標をどう皆さんで共有していくかということについて、改めて考えていただけるといいなと思います。

 

 

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