アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。

 

 

夛田:今日は過去の経験についてお話をしていきたいと思います。

社会人になり、仕事を通じてさまざまな経験をされている中で、充実したこと、楽しかったこと、それぞれあると思いますが、それらについてこれまでに振り返ったことはありますでしょうか?毎日を過ごしているとなかなか振り返る時間はないかもしれません。しかし、この充実体験を振り返るということは非常に大切なことです。

松丘さん、どういった点からこの充実体験を振り返ることは大切なのでしょうか?

 

松丘:充実した体験というと、仕事でもそれ以外でも、そこに打ち込んでいるわけですよね。熱中できているということなので、当然そのパフォーマンスも上がります。

 

自分はどういう時に充実感を感じるのかということを考えることは、自分はどういう状態になったら熱中して仕事に取り組めるかということを理解するヒントでもありますし、上司からしてみると、部下が充実感を感じるためにどうすればよいのかということを考えるヒントにもなります。

 

夛田:そうですね。これは、どんなことでも本人がそう思えば、それが充実した体験だということになりますか?

 

松丘:はい。主に2種類ありますが、一つは一人ひとりの内的な動機です。

どういう時にモチベーションが高まるのかといったような内的動機はみんな違います。

例えば人に感謝されるとすごく嬉しくてやる気になる、難しいテーマに立ち向かって周りの人を驚かせたことで嬉しく感じる。そういう内的な動機はみんな違うので、やはり自分の内的動機が満たされている時は充実感を感じます。

 

夛田:充実した体験というのは社会人生活の中で一つ、二つということではなく、幾つもあると思いますが、それらの中から共通している自身の内的動機が見えてくるようなこともあるのでしょうか?

 

松丘:それはあると思います。また、一人ひとりの内的動機はみんな違いますが、共通している別の要素もあります。一つはその仕事が面白いと感じられることです。面白さというのはゲーム性です。最初わからなかったことができるようになるとか、試行錯誤をしているうちに勝ち方が分かってくるといったように、それによって自分の成長実感や達成感が得られたりするそういう面白さがありますよね。

 

夛田:ゲームでクリアしていくようなイメージですね

 

松丘:他にも仕事の意義が感じられるという要素もあります。社会的に役立っている、自分は社会にとって意義のある仕事しているという感覚です。

そういう意義が強く感じられると、仕事を頑張れると思います。そういう面白さとか意義といったものは、内的動機が違っても、共通した充実体験の要因になるのかなと思いますね。

 

夛田:1on1の際にも上司の方から部下やメンバーの方の充実体験を聞くというシーンは比較的想像しやすいかと思いますが、メンバー側から上司の方が過去にどんな充実体験を経験されたのかといったことを聞くのも有効なのでしょうか?

 

松丘:そうですね。基本的に1on1は対話なので、対話というのは文字通りお互いを理解して成り立つものです。上司は部下のことを理解する必要がありますが、部下側も上司を理解することによって、よりコミュニケーションが深まります。

 

夛田:上司の方の実体験というテーマとなると、武勇伝みたいなものになってしまうのかなともなんとなく想像ができますが、充実体験は武勇伝とは違いますよね?

 

松丘:武勇伝であってもいいのかもしれませんが、それを偉そうに一方的に言われても聞く側としてはいい気分はしないので、どういうタイミング、コミュニケーションの中で話すのかを考えることが大事です。上司が過去の経験を話すこと自体は全然悪いことではありませんが、相手にとって参考にならなければ意味がないので、誰のための1on1なのだろう、とならないようにすることが大切です。

 

夛田:あくまで対話ということですね。

上司の方も充実体験をメンバーに語ってほしいなと思いますが、あくまでもその目的は相互理解です。決して偉そうに語るのではなく、お互いを理解するという形で話を進めていただけるといいなと思います。

 

 

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