アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。

 

夛田:今日は対話について皆さんにお伝えしたいと思います。世の中には似た日本語がたくさんありますが、対話と似た言葉では“会話”という言葉があります。また“議論”という言葉もあります。

コロナ以降、対話の重要性、家族の中でもそうですし、社員とどうコミュニケーションを深めていくかを課題として捉えている会社も非常に多いのではないでしょうか。松丘さんは対話についてどうお考えですか?

 

松丘:対話というのは、文字通りお互いに話すということですが、先ほど言われた“議論”は、どちらかというと対極にあるコミュニケーションのやり方なので、それと対比するとわかりやすいですね。

 

“議論”は英語ではディスカッションですが、語源として戦いの概念を含んでいます。議論に勝つとかいうように勝ち負けがそこに含まれています。どうしたら議論に勝ったと言えるかというと、話し手側の主張を相手に納得させると勝ったということになるわけです。基本は自分が伝えたい、あるいは相手を納得させたい何かを持っていて、相手に伝えるわけです。

 

“対話”というのは、流れとしては逆で、最初にまず相手がいったいどういうことを考えているのか、あるいは何を大切にしているのか、そういうことを理解した上で、それに対して自分の考えを乗せていくとか、あるいはどこが違うかということを伝えていく。まず相手を理解するというところが最初にあるわけです。対話なので、どちらか片方が理解すればいいわけではなく、双方が相手を理解した上で自分の考えを伝えていくことによって、より話が深まっていくというようなことになります。よく上司の方がうちはコミュニケーションをとっていると言われることがありますが、多くの場合は“議論”です。一方的に上司の考えを相手に納得させようとして話しているといったことは凄く多いですね。

 

夛田:そうですね。どちらが話している時間が長いですかといった振り返りをすることがありますが、上司の方が7~8割の時間を話しているということもあります。“議論”が多くなってしまっている方もいると思いますが、より良い対話をしていくためのポイントを教えていただけますか?

 

松丘:よく言われるのは、傾聴ですね。その際に、聞いているだけではだめで、聞いて理解することが必要です。相手がどう考えているか、相手の意図、大切にしている価値観は見えないですし、どのような意図や価値観に基づいて話しているかを説明した上で何かを発言しているわけではないので、相手の発言した言葉から、いったいなぜそんなことを言っているのか、ということを理解するということです。例えば、夛田さんは最近嬉しかったことはありますか?

 

夛田:そうですね。嬉しかったことは、自分の思っていたことや意図していたことがお客様にきちんと伝わって、お客様からすごく助かりましたというお言葉をいただいたことです。

 

松丘:それは伝わっていたことが嬉しかったのでしょうか?それとも助かったと言われたことが嬉しかったのでしょうか?

 

夛田:助かったと言われたことの方が嬉しかったです。

 

松丘:なるほど。というように、その“嬉しい”の持つ意味が人によって違いますよね。だから今の単純なコミュニケーションの中でも、夛田さんの嬉しいはどういう嬉しいなのかということを理解しようとしないとわからないわけです。そういった聞き方が必要ですし、その前提として、まず相手に関心を持つことが必要です。そもそも、相手に関心を持っていなかったら、夛田さんにとって何が嬉しかったかということは、どうでもいいことになるからです。

 

夛田:一言で傾聴といっても、能動的に自分から聞いていくっていうことができているのかなとあらためて考えると、自信を持ってはいと言える方はなかなかいらっしゃらないかもしれません。是非、皆さまも傾聴の聞くという部分ができているかという観点で、対話をあらためて振り返る機会を作っていただきたいなと思います。

 

 

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