アジャイルHRでは代表の松丘啓司と講師の夛田素子によるYouTube「1on1チャンネル」を開設しています。本サイトでは、過去に配信した対談を1回ずつ短いコラムに編集してお届けします。

 

夛田:前回、目標管理について少しお話しましたが、今日はその続きで、MBO、また最近よく耳にするようになったOKRという目標管理についてお話を伺いたいと思います。松丘さん、解説をお願いできますか?

 

松丘:まずMBOですが、Management by Objectivesの略で、元々はピーター・ドラッガーが言い始めたものです。当時はManagement by Objective and Self-control という言い方もされました。それは自分で目標を設定して自分でコントロールしていくといった、一人ひとりの主体性を重視した考え方でした。それがいつの間にか意味合いが変わってきて、現在ではMBOというと、主体性よりも会社が設定した目標をブレイクダウンして個人に目標を与えて、その進捗状況を管理していくという、ウオーターフォール型の目標管理を指して言われることが多いですね。実際、日本の会社のほとんどがMBO型のやり方をしていると思います。

 

夛田: OKRとの違いは何になりますか?

 

松丘:OKRはどちらかというと、元々ドラッガーが言っていた目標管理に近い概念ですね。目標を与えられるというよりも、一人ひとりが自分は何を目標にしたいか、やりたいという内発的な意思を目標に設定していくというところがいちばん大きな違いでしょう。

 

夛田:セルフコントロールという部分が失われていったということに重点をおいた目標の立て方がOKRというものですか?

 

松丘:そうですね。ただ会社の中における目標なので、何でも好き勝手していいというわけでは当然なくて、個人の目標は会社全体や自分の属している組織の目標に貢献するものでないといけないですね。自分は何によって会社の目標に貢献したいかといった繋がりを重視しています。

 

夛田:あくまでもやりたいという気持ちは大事だが、組織の中でやっていくので組織の目標を意識しながら立てていくことが大切ということですね。

 

松丘:そうですね。それによって一人ひとりがやりたい目標を立てているが、会社全体としては一つの方向性にベクトルが合っていくことになります。

 

夛田:聞きそびれましたが、OKRの略は何になりますか?

 

松丘:Objectives and Key Resultsです。Objective は目標、何をゴールにしたいのか、何をやりたいかを示したもので、Key Resultsはキーとなる結果ということですが、どういう結果指標を達成すればそのゴールを達成できたといえるかを測定する指標です。OKRはObjectivesとKey Resultsを1つのセットにしてOKRと呼ぶ、そんなフレームワークです。

 

夛田:OKRが新たに誕生したというのは、MBOの弊害があったからでしょうか?

 

松丘:そうですね。やはり自律的に考えてチャレンジしていくような働き方が求められています。MBOはどちらかというと自律性というより上からこれやりなさいと命じられるような与え方なので、上が目標を与えてくれないと動けません。現場の環境も変化していますから、その中で自分なりに目標を立ててチャレンジしていくという行動をしていかないと、なかなか成果にはつながらないと思います。

 

夛田:MBOは期初に目標を立て、期末まで変えづらい部分もあると思うのですが、OKRは期中にも柔軟に変えられるということでしょうか?

 

松丘:そうですね。環境が変わったのに目標が変わっていないと、ギャップが生じてしまいますよね。ただ、闇雲に変えていいわけではなく、会社全体あるいはチームがOKRに従って運営されていくことが重要なので、そうすると四半期ごとに見直すなど、一定の運営の枠組みは必要と思います。

 

夛田: VUCAの時代といわれていますので、今のお話ですとOKRの方がいいのかなと思う反面、従業員数が多い企業などでは上から目標を与える方が、会社としては統率がとれるように思うのですが、MBOとOKRはどちらがいいというものではないのでしょうか?

 

松丘:OKRは1つの手法ですが、確かに軍隊のように上から統率を取った方がやりやすい組織もあります。ただ、そういうやり方で成果を上げられる業界というのはほとんどなくなってきているのではないでしょうか。一人ひとりが自分で考えて、仮説を立てて行動することが求められていると思います。

 

 

 

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