更新日:2021-09-15

 OKRに関する情報は巷にあふれていますが、誤解されて受け取られていることも少なくありません。本コラムでは、大きな組織でのOKR導入経験が豊富で、長年にわたってOKR専用システムを開発している株式会社アジャイルHR代表の松丘啓司がOKRの基礎について丁寧に解説します。

 

  1. OKRは特殊な手法ではない

 

 OKRと呼ばれる目標管理の方法が話題になっています。いつもの一過性の流行かと捉えられがちですが、OKRはけっして新しい概念ではありません。もともとは30年以上も前に当時のインテルが用いていた、歴史のある組織マネジメントの方法なのです。それを初期の頃のグーグルが取り入れて、既に20年以上、組織マネジメントに活用しています。

 

 若いITベンチャーでOKRを採用する会社が多いことから、IT系の手法と思われることもありますが、OKRは業種や企業規模にかかわらず、すべての企業に適用可能です。なぜなら、OKRは特殊な手法ではなく、企業が効果的な目標管理を行うための「考え方」のパッケージだからです。つまり、OKRと呼ぶかどうかは別にして、それらの考え方はあらゆる企業における目標管理に当てはまるのです。

 

 OKRはしばしばMBOと呼ばれる目標管理の方法と対比されます。MBOとは組織の目標を上から配分して個人目標にまで落とし込むような管理方法です。その個人目標の達成率が人事評価に用いられることによって、MBOは評価制度と密接に結びついています。

 

 MBOは日本企業(特に大企業)に深く浸透していますが、そのような上意下達の管理型のマネジメントが、今の時代に合わなくなってきていると感じている人々も少なくありません。これまでのやり方のどこをどのように変えていけばよいかを検討する際に、OKRの考え方を活かすことができます。

 

 OKRは人事評価ではなく、目標管理にフォーカスした組織マネジメントの方法です。その大きなねらいは、一見すると矛盾するような以下の2点を両立することにあるといえるでしょう。

 

  • 会社全体が目指す方向に全員のベクトルを合わせること
  • 1人ひとりが主体的に目標を定め、自律的にチャレンジすること

 

 これらのねらいを実現したいと願うあらゆる企業にとってOKRの考え方は有益なのです。次回以降では、より具体的にOKRのコンセプトについて解説していきます。

 

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