第9回1on1情報交換会 実施レポート

2019年5月29日

アジャイルHR 1on1情報交換会事務局

 

 

2019年5月29日に開催した「第9回1on1情報交換会」の実施レポートをお届けします。

 


個人と組織のパフォーマンスを高める新たな方法として「1on1」が注目を浴びています。「1on1情報交換会」では、環境変化の激しい今日において、今後必要とされる1on1をベースとしたピープルマネジメントに関して、有識者のレクチャーや他社事例から学び、パフォーマンスマネジメントに課題意識を持つ他企業の担当者と語り合う場を提供してきました。

(「1on1情報交換会」は2017年に始まり、原則隔月開催とし、今回で9回目となります)

 

本1on1情報交換会では、1on1という言葉が日本に広まりつつある中、より従業員のパフォーマンスマネジメントや働き甲斐に繋がる“理想の1on1とは何か”、また“1on1が組織にもたらす効果”について、ゲストスピーカーをお招きしての講演やトークセッションを実施しました。

 

【講演Part1】では、“個人と組織の変革パートナー”である株式会社サーバントコーチ代表取締役の世古詞一さまが登壇され、1on1を成功させるために最も大切なことについてご講演いただきました。

 

【講演Part2】では、弊社代表取締役社長の松丘啓司が登壇し1on1の効果を高めるHRテクノロジーについて講演いたしました。

 

【トークセッション】では、1on1を導入している企業2社より、1on1導入責任者(※)をお招きし、1on1導入責任者による本音トーク!」として語っていただきました。

(※)株式会社バンダイナムコオンライン取締役CHRO経営企画部ゼネラルマネージャーの品川淳司さま株式会社電通デジタル コーポレート部門人事計画部部長の佐藤邦彦さま

 

【情報交換会】では、本1on1情報交換会の参加者のみなさま同士による1on1に関する情報交換、意見交換を行っていただきました。

 


【講演Part1】1on1を成功させるために最も大切なこと

~部下のエネルギーレベルが大きくなる「場」づくりへの気遣い~

 

 

サーバントコーチの世古さまが、まず取り上げたのが、職場の関係性(関係性の質※)を高めるための上司と部下のコミュニケーションが急激に減少してきていることに対する問題提起でした。

※組織の成功循環モデル(ダニエル・キム,2001年)、「関係性の質→思考の質→行動の質→結果の質」が循環するモデル。結果の質を高めるには、関係性の質に働きかけることが重要とされている。

 

併せて、現在のコミュニケーション(=情報交換)により①短期的な成果、目標、仕事に焦点があたっていることに触れ、これからのコミュニケーション(=対話)ではこの①に加え②個人の状況、気持ち、成長、将来にも焦点をあてていく必要性について語られました。この②が①の“土台”になるという意味でも、②に焦点をあてることに重要な意味があることを強調されました。

 

また、1on1の効果として人材マネジメントが後手の対応ではなく、先手の対応(例えば配置転換)にすることができる。1on1を問題解決の場にするというより、課題発見の場にすることが大切であることも強調されました。

 

1on1の成果としては、以下の項目を例示し、説明をされました。

  • 知識・情報のアップデート
  • 問題解決
  • 課題発見
  • モチベーション、気持ちの変化
  • 新たな気づき・学び・アイデア
  • ネクストアクションの明確化

 

加えて、1on1は“面談の締め(クロージング)”がとても大切であるので、1on1の最後に部下に、「今日の1on1で何が一番印象的であったか、何が自分の中に残ったか」を問いかけ、言語化してもらうことが重要であることを補足されました。

 

更に、この1on1の成果をあげるために大切なこととして、「1on1マトリクス」と「1on1実践マップ」の紹介がされました。

  • 1on1マトリクス → 従来の面談やコーチング等と1on1の違いを認識すること
  • 1on1実践マップ → 1on1の全体像(1on1で話し合うテーマ)を理解すること

特に、1on1実践マップでは、1on1で毎回必ず取り扱うテーマと、状況に応じて取り扱うテーマが整理されて説明されました。上司がこうした指針を持っていないと、1on1の場が整わなくなってしまうことも補足されました。

 

最後に、1on1の成功で最も大切なこととして1on1の場をいかに楽しい場にできるかということ」1on1の場で部下にいかに、しゃべらせ、楽しく、充実した場にしていくかに頭を使うこと」がポイントになると、締めくくられました。

 


【講演Part2】1on1の効果を高めるHRテクノロジー

~いつでも、どこでも、リアルタイムに履歴やフィードバックを残せ、分析/アナリティクスも可能~

 

 

松丘はまず、対面での1on1の効果を拡大していく意味あいでの、ITツールの効果について解説しました。

(ポイント)

  • いつでも、どこでも
  • リアルタイムに
  • 上司と部下以外の周囲とも
  • 履歴を残せる
  • データ分析できる
  • 仕組化できる

こうしたITツールを使うことで1on1をパワーアップさせることができると強調しました。

 

併せて、これまでのITツールの活用が、管理や評価が目的で、年数回のみの利用であったことについて触れ、これからのITツールの活用は、パフォーマンス向上のための支援が目的で、途切れることなくコミュニケーションや支援が可能になることについて説明しました。

 

続いて、弊社のパフォーマンスマネジメントのITツール「1on1naviの機能紹介が行われました。

(概要)

  • OKR(目標共有)…目標とその進捗状況を周囲と共有することによって、誰が何に向かってチャレンジしているかを見える化
  • 1on1(振り返り)…対面での1on1の気づきを記録、公開することで1on1の間にもオンラインでの支援を継続
  • Feedbackリクエスト…チームメンバー間でフィードバックをリクエストし合うことによって、相互フィードバックを活性化

この中で、今回のテーマに照らし、1on1機能とFeedbackリクエスト機能を中心に話を展開し、このようなパフォーマンスマネジメントツールは、USなどを中心にサービス提供されているものの、まだ日本では本格的に展開されているものが少ないことも説明しました。

 

また「1on1navi」の特長として、上司と部下による対面での1on1以外で、スマートフォンとWeb(PC)により、リアルタイムに、上司のみならずメンバーとも、相互フィードバックを可能にすることで、従業員の日々のパフォーマンス向上を支援できることを挙げました。

 

加えて、これら様々なフィードバックを実現するためには、組織の心理的安全性が高くないとできないことについても言及しました。

 

最後に、ITツールを使って1on1の記録を残すことに関し、デメリットとして、記録の手間がかかる一方で、メリットとしての、部下本人のリフレクションを深められる、部下も上司も実施内容を忘れない、周囲にも共有できる、過去からの変化を確認できる、データとして分析できる、またそのデータをBIツールで可視化できる等、効果の方がはるかに大きいと締めくくりました。

 


【トークセッション】1on1導入責任者による本音トーク!

~経験途中だけど言えること、経験したから言えること~

 

トークセッションでは、まず品川さまからバンダイナムコオンラインの1on1の取り組み概要、そして佐藤さまからは電通デジタルの1on1の取り組み概要に関して、ご紹介いただきました。

 

 

バンダイナムコオンラインの品川さまからは、社員数増加の中でコミュニケーションの不足等の課題感に基づき、「①心理的安全性の醸成」と「②1on1を活用したチームづくり」の2つを1on1実施の大目的に掲げ、毎月115分~の1on1を比較的フレキシブルに実施しているとのお話がありました。その中で、“いま流行りの1on1”といった語り口にならないようにしたこと、また、“やってみてダメなら変えるし、やめることを伝える”ことに留意して進めたことも紹介されました。

 

 

電通デジタルの佐藤さまからは、「①トップのビジョンや目標が浸透しているか」と「②部下が必要としているニーズや課題がトップまで伝わっているか」を主眼に、2週に130分の1on1を“強制にせず”実施しているとのお話がありました。その中で、全社での取り組みにしていること、人事制度に組み込んでいること、評価と切り離ししていることに加え、1on1導入にあたってのかなり手厚い研修機会の提供を行うことを重要視していることも紹介されました。

 

 

続いて、松丘の司会・進行のもと、1on1導入に関する本音トークセッションに入りました。

(注)松丘からの問いかけに対し、品川さま、佐藤さまからの発言があったもののサマリーとして、以下に4点を紹介します。

 

☆手上げ式で1on1研修へ参加してもらう

現場を巻き込むためには、なるべくセミナーや研修の機会を多くつくって“手上げ式”で参加してもらうことが大切。徐々に1on1を実施している人たちと実施していない人たちの間の様々なサーベイ結果に差が開き始めるといった効果が見え始める。自主性に任せてジワジワと進めているので、時間がかかるが、そこは我慢も大事である。

 

1on1では一人ひとりのWillを引き出す

一人ひとりのWillを知った上で、どう折り合いをつけていくか。大変ではあるが、とても大切なことである。これをやらないとリテンションが維持できない。1on1をきちんとすると、個々人のWillに対応していくことになり、大変になると考えている。マネジメントの難易度が上がってきているとも言える。

 

1on1を行う上司に才能やセンスは関係ない

1on1に関するセミナーや研修の組み立てをしっかり行っていくことで、あるレベルまでは才能やセンスに関係なく、やる気があって愚直に取り組んだ人は育っていった。いきなりできる人はいないが、上手くできてくる人が“見える化”されてくると、今までやらなかった人も参加してくる。

 

☆目指す組織の姿を伝える

一人ひとりが仕事を楽しんでいるチームや、誰もが言いたいことを率直に口にすることができるチームが高い成果を発揮できるという考えに基づいて、1on1がそのようなチーム作りのために必要という目的を伝えることが重要と考えている。それによって、1on1によって目指す姿を共有することができる。

 


【アンケートより】1on1情報交換会に参加したお客さまの声

当日ご参加いただいた方々からは沢山のお声をいただきました。

代表的なものをいくつか、以下にご紹介いたします。

 

 

  • 1on1の成果や成功の定義が非常に分かりやすく参考になりました。
  • 1on1の導入背景、目的や効果など、様々な方から伺えたことが有意義でした。
  • 1on1を強制しない事、評価制度に入れない事が上手くいくために必要だという事。
  • まず身近なところから始めてみて、全社に少しずつ輪を広げていきたいと思います。
  • 支援ツールを導入することで、1on1をより効果的なものにするだけでなく、横の連携が生まれることが分かった。
  • マネジメント層に1on1の必要性を認識してもらう方法、取り組み、手上げによるカリキュラムなど参考になりました。
  • パネルディスカッションでは具体的な事例が聞けて参考になりました。

 


講演者紹介

株式会社サーバントコーチ

代表取締役

世古詞一さま

 

株式会社アジャイルHR

代表取締役社長

松丘啓司


株式会社アジャイルHRでは、現在以下のセミナーを開催しております。

 

詳細は各リンク先(URL)をご覧ください。

 

◆2019年6月27日(木) 9:30~  1on1を効果的に運⽤するためのポイントとその⽀援ツール

 〜コミュニケーション⼿段としての1on1からパフォーマンスマネジメントとしての1on1へ〜

https://1on1navi.com/2019/05/28/20190627-tool1on1/


◆2019年7月4日(月) 15:30~  MBOはもういらない

 〜OKR/1on1/No Ratingsをはじめとした、これからのパフォーマンスマネジメント〜

https://1on1navi.com/2019/05/29/20190704-nomorembo/